2026年「社会学」のポイント
- 用語の対(つい)を覚える: 「ゲマインシャフト vs ゲゼルシャフト」「第一次集団 vs 第二次集団」など、反対語や似た概念をセットで覚えるとひっかけ問題に強くなります。
- 現代的なキーワード: ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)や、ラベリング理論は近年非常によく出題されます。
- 家族の定義: 統計問題とも関連しますが、世帯の分類(核家族の範囲など)を正確に把握しておきましょう。
社会学と社会システム:実戦予想問題
第1問:社会学的概念
テンニース(Tönnies, F.)が提唱した社会集団の類型について、正しいものを1つ選びなさい。
第2問:家族の概念
現代社会における家族や親族に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
第3問:役割理論
社会的な役割に関する次の用語の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
第4問:社会システム論
パーソンズ(Parsons, T.)が提唱したAGIL理論において、システムが維持されるために必要な「適応(Adaptation)」に対応する社会領域はどれか。
第5問:官僚制と組織
ウェーバー(Weber, M.)が分析した「近代官僚制」の特徴として、誤っているものを1つ選びなさい。
第6問:現代社会の諸現象
社会学の用語に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
事例問題
社会学と社会システム:実戦事例問題
【事例】
Dさん(72歳、男性)は、長年勤めた企業を定年退職後、3年前に妻を亡くし、現在は大都市近郊の分譲マンションで一人で暮らしている。マンションの住民同士の交流はほとんどなく、Dさんも「近所付き合いは煩わしい」と考え、自治会活動にも参加していない。最近は外出も減り、一日のほとんどをテレビを見て過ごしている。 離れて暮らす娘が様子を見に来た際、Dさんは「退院後、地域に知り合いがいなくて寂しい。自分が社会から取り残されているように感じる」と漏らした。この状況を知った地域包括支援センターの社会福祉士が、Dさんの「社会的なつながり」の再構築を支援することになった。
Dさん(72歳、男性)は、長年勤めた企業を定年退職後、3年前に妻を亡くし、現在は大都市近郊の分譲マンションで一人で暮らしている。マンションの住民同士の交流はほとんどなく、Dさんも「近所付き合いは煩わしい」と考え、自治会活動にも参加していない。最近は外出も減り、一日のほとんどをテレビを見て過ごしている。 離れて暮らす娘が様子を見に来た際、Dさんは「退院後、地域に知り合いがいなくて寂しい。自分が社会から取り残されているように感じる」と漏らした。この状況を知った地域包括支援センターの社会福祉士が、Dさんの「社会的なつながり」の再構築を支援することになった。
問題:Dさんの状況を社会学的視点から分析し、支援の方向性として最も適切なものを1つ選びなさい。
【解説】
正解は 2 です。
・選択肢1:社会学では個人の性格に還元せず、社会構造や相互作用の観点から問題を捉えます。
・選択肢2(正解):Dさんの孤立を、都市社会におけるソーシャル・キャピタル(信頼・規範・ネットワーク)の欠如として捉えるのは社会学の正攻法です。これらを高める支援は非常に適切です。
・選択肢3:ラベリング理論(ベッカー)は、逸脱行動などに対して他者がレッテルを貼る過程を指すもので、この事例の文脈では主原因とは言えません。
・選択肢4:ゲマインシャフト(テンニース)は血縁や地縁による自然発生的な集団であり、利益を求めて参加するゲゼルシャフトとは異なります。放置することは社会福祉士の職務(孤立防止)に反します。
社会学と社会システム:事例演習2
【事例】
かつて工業で栄えたL市の下町地区では、急速な少子高齢化と人口減少により、空き家が目立っていた。しかし、近年、都心へのアクセスの良さに注目した不動産開発業者により、大規模な再開発が進められ、高層マンションやおしゃれな商業施設が建設された。
その結果、高所得の若年層が流入し、地価が上昇。長年その地区に住んでいた低所得の高齢者や零細店舗が家賃の上昇により転居を余儀なくされ、地域独自の文化や人間関係が失われつつある。一方で、市役所では効率化を目的とした「官僚制」的な組織運営が徹底されているが、現場の状況に柔軟に対応できない「逆機能」が課題となっている。
かつて工業で栄えたL市の下町地区では、急速な少子高齢化と人口減少により、空き家が目立っていた。しかし、近年、都心へのアクセスの良さに注目した不動産開発業者により、大規模な再開発が進められ、高層マンションやおしゃれな商業施設が建設された。
その結果、高所得の若年層が流入し、地価が上昇。長年その地区に住んでいた低所得の高齢者や零細店舗が家賃の上昇により転居を余儀なくされ、地域独自の文化や人間関係が失われつつある。一方で、市役所では効率化を目的とした「官僚制」的な組織運営が徹底されているが、現場の状況に柔軟に対応できない「逆機能」が課題となっている。
問題:事例に見られる社会学的概念の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
【解説】
正解は 2 です。
・選択肢1:この現象は「[ジェントリフィケーション](https://ja.wikipedia.org)(都市の富裕化・高級化)」と呼びます。「ドーナツ化現象」は中心部の人口が減り、郊外が増える現象を指します。
・選択肢2(正解):マートンが提唱した概念です。規則への固執(訓練された無能)により、柔軟な対応ができなくなることを指します。
・選択肢3:ウェーバーの支配類型には「合理的支配・伝統的支配・カリスマ的支配」がありますが、この事例の内容を説明する用語としては不適切です。
・選択肢4:地域文化が壊れ、弱者が追い出されることは[ジェントリフィケーション](https://www.soumu.go.jp)の負の側面として議論されます。インナーシティ問題(中心市街地の空洞化)の解決策の一つではありますが、手放しで肯定されるものではありません。

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